成果
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研究紹介(2013年9月22日 Nat. Neurosci. online 発表)
<発表のポイント>
1.神経幹細胞が「渋滞」なく動くことが、大脳の形成にとって重要であると明らかになりました。
・脳細胞の作り主である神経幹細胞は、核(遺伝情報の貯蔵区画)を反復的に動かすことがこれまでに知られていましたが、その意義は不明でした。
・幹細胞の「渋滞」を起こさせる実験を行なうと、過剰混雑に陥った幹細胞が本来の場所から逃げ出し,不適切な場所で分裂をしてしまい,大脳組織の構造が乱れました.
・「渋滞」のない効率的な核移動には、神経幹細胞が長く伸びた形をとることが重要と分かりました。
2.ヒトの大脳皮質形成不全の病態の理解、およびヒト大脳進化の理解につながると期待されます。
・実験的操作を通じて、マウス神経幹細胞の「過剰混雑から逃げ出す」という性質・反応性を浮かび上がらせることができました。この「反応性」への注目は、これまで原因不明であった先天性の大脳皮質疾患の病因の解明に役立つ可能性があり、また、ヒトの大脳をつくり出してきた進化現象を研究する上でのひとつの切り口にもなり得ると期待されます。
以下に解説